メンタルヘルス対策と不調者への対応
「世界メンタルヘルスデー」をご存じですか?
メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし正しい知識を普及することを目的とし10月10日は世界メンタルヘルスデーとして1992年に制定され、様々な取り組みが行われてきました。
しかしながら、日本では近年メンタルヘルスの不調を訴える件数が増加傾向にあり(図表2-1)、精神障害に関連した労災の請求件数はいずれの項目※1も増加と、請求件数に関しては令和5年度には令和元年度の約1.5倍となりました。
※1 決定件数は、当該年度内に業務上又は業務外の決定を行った件数で、当該年度以前に請求があったものを含む。 支給決定件数は、決定件数のうち「業務上」と認定した件数である。
出典:厚生労働省「精神障害に関する事案の労災補償状況」より
また、厚生労働省の労働安全衛生調査(実態調査)※2によると企業におけるメンタルヘルス対策への取り組みについて、従業員が100名以上の規模においてはほぼすべての企業で何かしらの対策が行われているのに対し、50名未満の規模では50~70%程度にとどまっていることがわかりました。
今後、人材不足が課題となる中で、従業員の方々が心身ともに健康で長く働き続けたいと感じる職場づくりをしていくためには、50名未満の規模の企業も何かしらの取り組みをしていく必要があると考えます。
※2出典:厚生労働省「令和3年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」より
実際にメンタルヘルス対策への取り組みについて考えていくと、計画の策定や衛生委員会での調査審議を経て下記のような「4つのケア」に分類されます。
まず、心の健康づくり計画にて取り組みの意思表示や、体制整備・課題の抽出やどのように実施していくかなどを決定し、衛生委員会にて審議します。
次に、審議・可決された内容を4つのケアにて実行していきます。
セルフケアとは、従業員の方々が自ら自身のストレスに気づき対処することを指し、一次予防として有効な手段といえます。
ラインによるケアとはメンタルヘルス不調者の疑いがある従業員や、ストレスチェックの結果などからハイリスクとされる従業員に対し、管理監督者が早期のケアを実施することを指します。早期発見・早期治療は、休職状態になることを未然に防ぐだけではなく、休職となってしまった場合などにも休職期間の長期化などを防ぐことにも有効な手段となり、取り組むメリットが大きいと言えます。
事業内産業保健スタッフによるケアとは、産業医や保健師などの医療スタッフなどが健康診断結果の活用やストレスチェック・メンタルヘルスに関するケアの立案・導入支援をすることを指します。従業員が50人未満の規模の企業様ではあまりなじみがないかと思いますが、50人以上の従業員がいる企業様では産業医の選任が義務付けられており、この選任義務の有無がメンタルヘルス対策への取り組みの調査結果にあらわれたのではないかと推察されます。
最後に、事業場外のケアとは、実際に不調者が発生してしまった場合に通院する病院や職場復帰前にリハビリなどを行う機関など、職場の外側からの支援が必要となった場合のケアとなります。 以上が4つのケアとなります。
このように実際に対策に取り組もうとすると、どのように計画を策定するのか、誰と考えたらいいのか、産業保健スタッフとは誰に何を依頼するのか、取り組みについてどのように従業員に周知していくのかなどハードルが多く感じ、断念してしまう企業様も多いのではないでしょうか。
そこで、sangoでは社労士として法令にのっとった働きやすい環境づくりをすすめるとともに、産業保健師としてセルフケア・ラインによるケア・事業内産業保健スタッフによるケアの具体的な方法の提案・導入方法の共有、事業場外の専門機関との連携などを図りメンタルヘルス対策の取り組みも支援しております。
企業にあった職場づくりや、メンタルヘルスケア対策の計画立案・実行・調査・改善を丁寧なヒアリングと、数字を用いた結果調査で納得感のあるサービスの提供に努めます。
メンタルヘルス対策やヘルスケア事業等について、お困りごとや不明点・疑問点などがありましたら是非contactよりお問い合わせください。